新事業進出補助金など、使える補助金の探し方

新しい事業を始めたい、設備を入れ替えたい。そんなとき、「使える補助金はないだろうか」と検索してみたものの、名前が似たものが多すぎて、どれが自社向けなのか分からなくなった経験はないでしょうか。補助金は種類が多く、制度の名前が変わることもあります。実際、2026年には「新事業進出補助金」と「ものづくり補助金」の流れをくむ新しい名称の補助金が動き出しました。この記事では、補助金の探し方の基本と、申請から入金までの流れ、そして見落としやすい注意点を、経営者向けにやさしく整理します。

補助金は3つの出どころで探す

補助金は、お金の出どころで大きく3つに分けると探しやすくなります。

  • 国の補助金:経済産業省・中小企業庁などが所管する、設備投資や新事業、省エネなどの大型の制度
  • 都道府県・市区町村の補助金:地域の産業振興や創業支援、店舗改装など、地元の事業者向けの制度
  • 業界団体や財団などの助成:特定の業種や取り組みに限られた制度

なお、従業員の雇用に関する「助成金」は、厚生労働省の制度が中心で、社会保険労務士の専門分野です。この記事では、事業投資に使う補助金を中心に見ていきます。

デジタル化・AI導入補助金で入れるツールの選び方は、おまかせ係長の『デジタル化・AI導入補助金のツールの選び方』で整理しています。

探すときに使える場所

情報は、公的なサイトから集めるのが近道です。

  • ミラサポplus:中小企業庁が運営する、中小企業向けの支援情報サイト。補助金の公募情報も掲載されています
  • J-Net21:中小企業基盤整備機構(中小機構)の支援情報サイト
  • Jグランツ:補助金の電子申請に使われる、国の仕組み
  • 自治体・商工会議所・商工会:地元の補助金は、ここが最新情報を持っていることが多い
  • 取引金融機関:融資の相談とあわせて、使える制度を教えてもらえることもある

まず「何のために使うお金か」を一文で書いておくと、検索の精度が上がります。「新しい商品を作るための設備を買いたい」「ECサイトを作りたい」「人を採用したい」のように、目的を絞ると候補が一気に減ります。

締切の見方については、令和の総合商社の『持続化補助金の締切は12月15日?先に来る12月4日』も参考になります。

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自社に合うかを見分ける3つの質問

候補が見つかったら、公募要領を読み込む前に、次の3つで当てはまるかをざっと判定します。ここで外れるものを早めに外すと、時間の節約になります。

  • 対象者に入っているか:資本金や従業員数の上限、業種、創業からの年数などの条件。中小企業の定義は制度ごとに少しずつ違う
  • 対象経費に入っているか:機械装置、システム構築、外注費、広告費など、何にかかる費用が認められるのか。家賃や人件費などは対象外とされることが多い
  • 締切に間に合うか:公募期間は意外と短く、申請に必要な書類(決算書、事業計画、見積書など)の準備に数週間かかることもある

たとえば、創業して間もない会社が、決算書が2期分必要な制度を見つけても、そもそも申請ができません。こうした「入口で外れる条件」を、公募要領の最初のほうで確認しましょう。

事業の投資内容、候補制度、公募要領の対象経費を照らし合わせたい方は、コミッターズへご連絡ください。申請準備に進む前の確認項目を整理します。制度名だけで決めず、計画との適合点を一緒に整理します。

例:新事業進出・ものづくり商業サービス補助金

具体例として、いま注目されている制度を見てみましょう。公式サイトによると、「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」には、次の3つの枠があります。

  • 革新的新製品・サービス枠
  • 新事業進出枠
  • グローバル枠

このうち新事業進出枠は、補助上限が最大9,000万円(賃上げ特例を適用した場合。上限額は従業員数によって変わります)、補助率は中小企業で2分の1(条件により3分の2)と案内されています。補助の下限額は750万円です。前身の「中小企業新事業進出補助金」の説明では、「事業者にとって新製品(または新サービス)を新規顧客に提供する新たな挑戦」であることが条件とされていました。

要するに「いつもの事業の延長」ではなく、新しい市場や顧客に挑む投資が対象です。第2回の公募について、公式サイトは、申請受付の開始を2026年11月30日、応募締切を12月25日15時と案内しています。申請には電子申請システムを使い、GビズIDが必要です。

制度の細かい要件(賃上げの条件など)は、前身の制度では付加価値額や給与の伸びに関する基準がありましたが、統合後の数値は、必ず最新の公募要領で確認してください。

雇用面の助成金については、SAMURAI TIMESの『採用や雇用で使える助成金:申請の流れと「もらえない」落とし穴』でも整理しています。

申請から入金までの流れ

補助金は、申請して終わりではありません。全体像は次のとおりです。

  • 公募要領を読み、対象になるか確認する
  • GビズIDを取得し、事業計画を作る
  • 電子申請を行う
  • 審査を経て、採択の発表を受ける
  • 交付申請をして、交付決定を受ける
  • 事業を実施し、実績報告を出す
  • 確定検査を経て、補助金が支払われる

「採択」はスタート地点にすぎません。交付決定を受ける前に発注や契約をした経費は、原則として補助の対象外です。うっかり先に発注してしまうと、せっかく採択されても補助を受けられなくなります。

申請受付日・締切・必要書類を社内の予定に落とし込めていない場合は、コミッターズへご相談ください。採択後の交付申請や実績報告も含め、段取りを確認します。申請前後の段取りと担当範囲を整理します。

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専門家に頼むとしたら

計画づくりや書類作成に不安があれば、専門家の力を借りる方法もあります。官公署に出す書類の作成や提出手続きは、行政書士の仕事の範囲に入る場面があります。2026年1月1日には行政書士法の改正が施行され、「どんな名目でも、報酬を得て官公署への提出書類を作ることは、有資格者でなければできない」という線引きが条文上はっきりしました。

  • 誰が書類を作り、誰が提出するのかを確認する
  • 事業計画の中身は、社長自身が説明できる状態にする
  • 「必ず採択される」といった保証をうたう依頼先は避ける

専門家は、あくまで申請を整える伴走役です。補助金の中身を決めるのは事業者自身、と覚えておくと判断がぶれません。

補助金申請を行政書士に頼める範囲は、『補助金申請と行政書士:頼める範囲と注意点』で整理しています。

補助金を使う投資計画と、販路づくりの計画を同時に検討したい方は、コミッターズへお問い合わせください。制度探しと事業側の準備を分けて整理します。自社で担う作業と支援を受ける作業を切り分けます。

見落としやすい注意点

最後に、申請前に必ず確認したいポイントです。

  • 後払いが原則:事業費はいったん自社で全額立て替える。資金繰りの計画が必須
  • 採択は競争:前身の制度の第4回公募では、申請1,499件に対して採択は508件でした。およそ3分の1に絞られる計算で、計画の質が問われる
  • 締切直前にGビズIDを取らない:発行に時間がかかる場合がある
  • 事後の義務がある:報告や、一定期間の事業状況の報告が求められる
  • 情報の出どころを確かめる:公式サイトの公募要領が正本。ブログやSNSの要約は更新が遅れることがある

「補助金ありき」で事業を考えるのは危険です。まず事業の必要性があり、そこに補助金を合わせる順番を守りましょう。

販路の選び方は、はじめて商店街の『小さな事業の販路の選び方|店舗・ネット・紹介・代理店』も参考になります。

合わせて読みたい:東京都の中小企業・個人事業主へ|最大600万円・助成率2/3の「創意工夫チャレンジ助成金」は11月13日16時締切です

合わせて読みたい:東京都の中小企業・個人事業主・創業予定者へ|製品開発の「最初の検討」に最大100万円、締切は11月18日17時です

制度の原文と最新の要件は、行政書士法で確認できます。

まとめ

補助金探しは、「出どころ」「目的」「公式情報」の3点で整理すると迷いにくくなります。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金のように、名称や枠が変わる制度もあるため、最新の公募要領を確認する習慣が大切です。採択の先には後払いや報告の手続きが続きます。

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