法人向けファクタリング会社の比較。どの軸で並べれば迷わないか(宮本武蔵と佐々木小次郎の会話劇)

小次郎の疑問:どこも同じに見えるのだが

小次郎(困り顔)

小次郎「武蔵殿、法人向けのファクタリング会社を調べたのだが、どこも似たような看板を掲げておる。どれを選べばよいのだ。」

武蔵「同じ看板で括るから迷うのだ。比べる軸を三つに絞れ。手数料の出し方、必要書類、対象となる取引先の三つだ。」

筆者は、法人向けの候補を比べるときに、この三つを揃えて並べることが最も効率的だと考えています。広告の文句ではなく、公式の条件で同じ軸に置くのが比較の前提です。

軸一 手数料は、数字で示されているか

小次郎「手数料は、安いほどよいのだろう。」

武蔵「安く見えるものが、必ずしも安いとは限らぬ。まず、数字で示されているかを見よ。」

手数料の示し方は、会社によって違います。たとえばラボルは、手数料を買取額の一律10%としています。一方、PAYTODAYは、手数料を1%から9.5%の範囲で示し、下限として10万円を挙げています。上限額については、公式の記載に食い違いがあるため、本記事では書きません。

アクセルファクターは、手数料が利用額と契約方式によって変わる段階制だとしています。料率や金額の範囲は、公式サイトの料金表で確かめる形になります。範囲を示せない会社との比較は、軸が揃いません。

軸二 必要書類は、何を求められるか

小次郎「書類が少ないほど楽だな。」

武蔵「楽かどうかより、いま手元にあるかどうかだ。」

必要書類は、会社ごとに大きく違います。PAYTODAYは、直近6か月以上の入出金明細と、昨年度の決算書を必要書類として挙げています。決算書を準備できる法人であれば、この点は問題になりません。

アクセルファクターは、請求書、通帳3か月分、身分証の3点を挙げ、決算書を求めない形だとしています。一方、ラボルは、本人確認書類、請求書、取引の証拠を挙げています。ただし、登録や申請の内容によっては、追加書類を求められる場合もあるという注記が公式にあります。決算書を求めないことと、追加書類がないことは別の話です。

軸三 売掛先は、法人に限られるか

小次郎「売掛先が個人の取引でも、対象になるのだろう。」

武蔵「そこを見落とす者が多い。売掛先の条件を先に確かめよ。」

売掛先の条件は、会社によって違います。アクセルファクターは、売掛先が法人に限られるとしています。また、ラボルも、買取の対象は売掛先が法人の請求書だけだとしています。個人への売掛金を持つ法人は、この条件を確かめないと、比較の前提が崩れます。

比べると見えること:公式に記載がない項目の扱い

(関連:令和の総合商社「資金繰り表の下書きを渡す3つと渡さない3つ」)

小次郎「全部の会社の数字が揃えば、そのまま順位を付けてよいのか。」

武蔵「揃わぬ軸で順位を付けるのは、名乗り負けだ。」

本記事では、公式の記載が確認できた項目だけを比べ、順位は付けません。公式に数字が確認できない会社や項目は、推測で埋めず「公式に記載なし」と書きます。比較の表を作るときも、この扱いを守ることが大切です。

手数料は、総額で比べると意味が変わる

小次郎「数字の見方は、ほかにもあるのか。」

武蔵「一回の率と、一年の総額は別物だ。使う回数が増えれば、同じ率でも負担は膨らむ。」

手数料の率だけを見ると、どの会社も似たように見えることがあります。しかし、利用の回数と入金までの日数を掛け合わせると、年間の負担は大きく変わると一般に言われています。比較の表には率だけを置かず、利用見込みを掛けた総額の欄を別に設けるのが、実務では確実です。

総額の欄は、自社の売掛金の額と、利用する月の数で計算してください。計算式を一行で書いておけば、後から見直すときにも同じ条件で比べられます。

軸を並べた比較表(公式の記載で確認できた範囲)

小次郎「表で見せてくれ。」

武蔵「数字のない欄は空けておけ。空きが正直さだ。」

  • ラボル:手数料は買取額の一律10%。必要書類は本人確認書類、請求書、取引の証拠。売掛先は法人の請求書のみ。- PAYTODAY:手数料は1%から9.5%。下限は10万円。必要書類は直近6か月以上の入出金明細と昨年度の決算書。- アクセルファクター:手数料は段階制(料率は公式の料金表で確認)。必要書類は請求書、通帳3か月分、身分証。売掛先は法人。- ベストファクター:個人・法人どちらも可。審査書類に決算書なし。公式の詳細は未確認。- 公式の詳細が未確認の会社は、数字を載せず「公式の詳細は未確認」とだけ記します。
  • 大車輪|四日市GIII決勝|近畿3車 vs 中野ライン、並びで読む12R
図解1|比較の三軸(法人向け)

締め:軸を揃えてから、公式の条件を読む

武蔵(指差しで解説)
図解2|比較の進め方

小次郎「では、どこから始めればよいのだ。」

武蔵「まず手元の売掛金と入金の時期を書き出せ。そのうえで、ラボルの条件確認ページで、手数料と必要書類を公式の言葉で確かめよ。」

比べる軸が揃えば、判断は速くなります。焦って一社に決める前に、三つの軸で紙に並べてみてください。

小次郎「なるほど、紙に並べればよいのだな。ならば拙者、手数料の欄に『一律ゼロ』と書いておこう。」

武蔵「たわけ。それは広告の文句だ。数字のない欄は空けておけと、先ほど言ったはずだ。」

制度の原文と最新の要件は、金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」と民法と取適法で確認できます。

合わせて読みたい

令和の総合商社「資金繰り表の下書きを渡す3つと渡さない3つ」

令和の総合商社「売掛金の貸倒れと経費計上に関する記事」

ウハウハ高等学校「個人事業か法人か、開業形態の比較に関する記事」

出典

本記事の各社の条件(手数料・必要書類・売掛先の条件)は、各社の公式サイトおよび料金表の記載をもとに作成しました。公式に記載がない項目、記載に食い違いがある項目(PAYTODAYの上限額など)は、記事中でもその旨を明記し、数字を載せていません。条件は変更されることがあるため、申込みの前に各社の公式ページで最新の内容をご確認ください。

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